「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

教育実習を終えて

 先週まで教育実習生がうちのクラスに来ていました。とても熱心かつ能力のある人で、受け入れた私の方がむしろいい勉強をさせていただきました。毎日、授業について検討し合うことは、楽しくて今まで自分が無意識にやってきたことを言語化して伝えようとするいい機会になりました。言葉にすることは実習生のためというよりも自分自身のためになったのかもしれません。
 ただ、授業をどう作っていくかということは言葉にできることが全てではありません。むしろ、その場の雰囲気とかそれぞれの表情など言葉にできないことが授業の善し悪しを作っていく面もあるのです。そういった要素は「暗黙知*1といわれるもので、平たくいえば職人の「コツ」や「カン」にあたります。こういったところを共有できるかどうかが授業改善では大切なのだろうと思いますし、大きく言えば学校づくりを左右すると言ってもいいかもしれません。
 また、実習生の授業実習では、自分のクラスを後ろから見る機会にもなりました。ふだん、机間指導をしているだけでは見られない面を見ることができたのです。おかげで、今週から今までとは違った観点で指導できることにつながりました。
 さらに、私のつたない指導でもいろいろなことを吸収してもらい、感謝の言葉をもらうことができたのもありがたいことでした。もしかしたらこれが一番大きかったかもしれません。誰かの役に立てたという思いが何よりのエネルギーになるのですから。機会があればまた実習生に来てもらえるといいなと思います。

*1:潜在的知識と呼ぶ方がよいのかもしれません。[wikipedia:暗黙知]