「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

じゃんけんで人権 - 人権教育研修会

 昨日、狛江市の人権教育研修会が行われました。狛江市では平成18年度から人権教育研修を悉皆*1と位置づけています。「人権の尊重」はすべての教育活動のベースとなるべき大切な概念で、教育に携わるものはとりわけきちんと身に付けていなければなりません。しかし、正直に言うと堅くて難しいという印象があって、日頃の実践の中でどう生かしていけばいいのか考え込んでしまいがちです。
 でも、昨日の研修はそんなイメージを払拭するものでした。講師は桜井高志先生という方です。ワークショップを取り入れた参加型学習の形式で進めていかれました。最初にワークショップの位置づけや進め方の紹介のあと、じゃんけんを使った活動から入りました。じゃんけんの勝ち負けというのはたまたまであるにもかかわらず、何となく上下関係があるかのように感じてしまう部分があります。社会的にも、たまたまその立場に置かれているだけなのに、いつの間にかレッテルを貼ってしまい、そのことが無意識のうちに行動に現れてしまうことがありはしないかと考えさせられる体験でした。
 次は「イメージ他己紹介」という活動でした。ペアになった相手について、見た目だけで想像してどんな人かを紹介します。たとえば、好きな食べ物や趣味などを相手の実際にはおかまいなしに勝手に言ってしまうのです。ここでは、自分がどう見られているのか、また、自分は相手をどう見ているのかを意識することになります。よく、「見た目だけで判断してはならない」といいますが、先入観をもつことを否定すると相手のことを想像することを避け、自分のことを想像されることを避けてしまうことにつながります。そうではなく、「私はあなたのことをこう受け止めたけれども、それでいいか」と問い、「こう見られるのはいいけれど、こういう見方はやめてほしい」と答えるようなやりとりを重ねていって相互理解を深めることが必要なのでしょう。そんなことにつながる活動だと受け止めました。
 ほかにもいろいろな示唆を受けた研修でしたが、まだ自分の中で十分に整理できていない部分も多いので、先生のお話を聞いて私がメモしたことを書いておくことにとどめたいと思います。

  • 人権について完璧な人がいるだろうか。だからみんなで考えあうことが大切。
  • 正しさは複数あるということを理解して生活していく。違うからこそ学び合うのだ。
  • 権利に対応するのは義務ではない。責任である。義務を果たすことができなければ権利はないのか。
  • 人権感覚と人権意識の違いをふまえ、両方がもてる子どもたちを育てる。
  • 理解できない人がいるということを前提に、自分とは違う人と一緒にどう社会を成立させていくか。

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*1:「しっかい」と読みます。ことごとくみんなという意味です。