最近Twitterがいろいろなところで取り上げられるようになり、私も毎日のように使っています。Twitter関連の書籍もいくつか上梓されました。その中から「Twitter社会論」を読みました。著者の津田大介氏は「tsudaる」という言葉の語源にもなった方だそうです。読んでみて、Twitterは日常のつぶやきを交流しあうことにとどまらず、政治や経済にも影響を与える可能性をもったツールだと認識を新たにしました。
Twitterは新しいコミュニケーションツールであり、その伝播性、リアルタイム性が他のツールと大きく違宇ところです。また140文字という制限のために表現のあり方も従来のメディアと異なっています。そのことを理解して読む側も書く側も利用していかないと様々な問題が起きる可能性があると思いました。
そして、Twitter はまさにインターネット的なツールと言えます。TCP/IP が音声でも画像でも様々なデータをパケットという単位に細かく分けて分散的に配送する仕組みととてもよく似ていて、140文字という単位で生活上のつぶやきから企業からのお得情報や国際的な事件の速報まで様々な情報がやりとりされています。そして津田氏が「思考や感情をP2Pでゆるやかにつなぐサービス」と位置づけたように分散的な仕組みでありながらときに大きなうねりを作り出すこともあり得るのだということです。このことは脳の仕組みとも似ていて、多数の脳細胞が同時発火を起こすことによって情報処理を行うように、多くのつぶやきが同時多発的に起きることによって世界に大きな影響を及ぼすポテンシャルを秘めているのです。
Twitterはこれからどこまで広がってどこに向かうのか、サービスが始まってからまだ3年ほどなので未知数の部分が大きいのですが、しばらく目が離せない存在であることは確かです。
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/11/06
- メディア: 新書
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