「明日」をつくる生活。

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

街灯?オブジェ?いいえ,電子基準点

 学校菜園に苗の様子を見に行ったとき,近くに街灯のような物を見つけました。街灯にしては下向きの光を出さないように見えますし,だいたい夜間に照らす必要がありそうな場所ではありません。

 不思議に思って周りを見てみると,こんな看板がありました。

 写真からは読み取りにくいと思いますが,こんな文章が書かれています。

電子基準点
(GPS観測局)
 ここに建っているステンレス製の柱は,電子基準点と呼ばれています。この先端部には,GPS衛星から出されている信号電波を受信するアンテナが取り付けられており,柱の中には受信機と受信したデータを転送するための装置が入っていて,24時間の連続観測が行われています。
 GPS(Global Positioning System)は米国で開発された位置を求めるシステムで,上空およそ2万kmを飛行している人工衛星から出される信号電波を受信し,衛星と電子基準点の間の距離を計算することにより,電子基準点の位置を求めることができます。
 国土地理院は同様の電子基準点を全国に設置し,各地で得られたデータを茨城県つくば市にある庁舎に電話回線で転送し,コンピュータで計算処理して電子基準点の位置を正確に求め,各種測量の基準として利用するとともに,地震予知等に重要な地殻変動の監視も行っています。
建設省国土地理院

 この電子基準点は全国1,200カ所に設置されているそうです。狛江から一番近いものは世田谷区桜上水にあります。
 国土地理院のサイトに電子基準点の説明がありました。
電子基準点とは
 そして,この電子基準点の解析結果から以下のような結果が確認されました。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う地盤沈下調査|国土地理院
 ここを見ると,この電子基準点がある気仙沼小学校は震災後に65cm沈下したということです。水平方向の移動はここからはわからないのですが,確か3mぐらいだったでしょうか。もっとも移動の大きかった牡鹿半島は5.2mだったようです。短い期間に自分の立っているところがそんなに動いたということに改めて驚きましたが,地面がどれだけ動いたかがわかるというのもすごいことです。こういうシステムによってそれが支えられているということ,そしてこういうシステムを作って運用している人たちがいることに改めて敬意を感じます。