充電期間にどんどん本を読んでいます。先ほど読み終えたのがこの本。クリスマスと正月の食卓の風景から現代家族のありようを描いた調査レポート。年中行事は家族一緒に楽しく盛り上げるけれども,「私は私」で深く関わろうとしない家族が「普通」になっているのだとしたら,それは恐ろしいことです。
- 作者: 岩村暢子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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今の30〜40代は,幼い頃から正月のいろいろなことを親にしてもらい見てきたけれど,そのいわれや具体的なやり方などは聞いたこともなく習った経験もない。だから自分も「見せる」ことはするけれど,「語る」ことはしない。
そしてクリスマスは,「私がそうしたい」からするのであって,子どものためにしてあげることも突き詰めていくと「私が子どもの喜ぶ姿を見たいから」ということに行き着く。
さらに,インタビューでは「日本の家庭の伝統行事をきちんと引き継ぎたい」とその重要性を語る一方で,実態調査を見ると自分ではおせちも雑煮も作らないという自己イメージと現実との落差…
今の子どもたちが育つバックボーンとなる家族の形は,かつてイメージされていたようなものからずいぶん変化してきているようです。しかし,そのことが意外と理解されていないのではないでしょうか。「家族とはこういうもの」という固定観念のような枠組みでとらえることしかできていないのかもしれません。お互いの関わりが家族の中でさえ希薄になってきているのだとしたら,それはどこでどのようにして取りもどすことができるのでしょうか。
可能性があるとしたら,子育てをしているお父さん,お母さんが交流し合いながらよりよい方向を模索する試みを地道に積み上げていくことだろうと思います。その中でそれぞれが,「あ,これって違うんだ。」と自覚していくしかないのではないでしょうか。楽しい集まりでありながら,学習(堅い言葉ですが)できる場であることが理想です。学校はその手助けができるでしょうか。