「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

町探検で削りたての鰹節

 先週の金曜日に生活科で町探検に出かけました。学校から坂道をおりて,市役所や郵便局のある通りをたどっていきました。昔からの商店がたくさんある中で,海産物を扱う店を通り過ぎたところ,「ちょっと,よかったら中を見て行きなよ。」と呼びとめられました。前もってお願いしていなかったにもかかわらず,ちょうど鰹節を削る機械を動かしているところだからと子ども達を中に入れてくださったのです。

 めざしかと思うような大きな煮干しを袋詰めしているところなども見られて,興味津々。鰹節を削る機械に近づいた子どもが一人,「いい香り〜!」と一言。すると,お店の方が,「いいこというねえ。これ,持って行って。」と削りたての鰹節を大きなビニル袋にたっぷり入れてくださいました。
 帰ってからの給食はうまい具合にほうれん草のおひたしやすまし汁。おひたしにのせて,すまし汁に入れて,あるいはそのまま。たっぷりいただいたので使いたい放題です。「おいしい!」「おかわり!」の連発。ふわふわした花鰹は配るのにも手間がかかってしまい,2回目のおかわりが一段落したところで「時間切れ〜!」子ども達は当然,「え〜!」でしたが,「職員室の先生方にも味わっていただこうね。」で渋々おしまいになりました。放課後の職員室で先生方に味見していただいたところ,「あー,これ止まらない。」「熱いご飯と醤油がほしい!」とやっぱり好評でした。
 海の恵みの良さを子ども達が実感する体験は,気仙沼が復興する力につながっていくことと思います。まだまだ崩れかかった建物なども近くに残っているため,町探検自体できるのかという考えもあったのですが,地域をしっかり見回してみれば,よい教材が見つかるのだという思いを新たにしました。