新学習指導要領の全面実施まであと1年半となりました。小学校でのプログラミング教育の普及には、それを直接担う先生方の必要感の醸成がなくてはならないと思います。これまでいろいろなところに研修で伺って、たくさんの先生方とお会いしてきましたが、実際どうなのだろうと思うところもありました。
そこで、SNS上で小学校の先生方や関わりのある方々に、直接見聞きした事例を中心に、現時点での受け止め方を伺ってみました。すると、とても参考になるコメントをたくさんいただくことができたので、ざっくりとですがこちらでもご紹介したいと思います。実際にはもっと幅広く深い内容なのですが、不特定多数の方が目にするブログの特質もあり、かなり削ぎ落とされた記述になってしまうことをご容赦ください。(本当は私のまとめる能力の限界なのですが…)
まず第一に、全体として必要感は高まってきているが不安を感じているという先生が多いようです。
- みんな手探りだが、確実に去年よりも「まだうちは…」と言うところが少なくなっている
- 否定的な雰囲気はないが、何をどのようにやればよいのかはっきりしないので二の足を踏んでいる
- いくつかの学校で研修会をしたところ、初めて聞いたという人はほとんどいなかった
第二にその不安は「よくわからない、見通しが立たない」というところから来ている部分が大きいようです。
- 自分のところでは全く話題になっておらず、他県に勤める友人から情報を聞いて取り組み始めようと思った
- そもそもパソコンに不慣れだったり拒否反応を示す先生もいる
- 新学習指導要領にどのようにプログラミングについて記載されているかあまりよく知らない先生もいる
第三に、小学校では各教科等の特質に応じてプログラミングを体験するとされていることがハードルを上げている面があるようです。
- 管理職から「授業でやるイメージがわかない」と言われた
- 具体的にどんなことをすればいいのか、事例を教えてほしい
- どんな準備をすればいいのか分からない
- 道徳や英語は教科として時間数も明確に示されているが、プログラミングはそうではないので優先度を下げているのでは
第四に、環境や研修も十分ではないということがうかがえます。
- 子どもたちの方が教師より分かっていて難しい質問をされるのが怖い
- 保護者から先生方に聞いてみたところ、「環境が整うのか」「教える知識・スキルがないのに教えられるのか」という不安の声があった
- 取り組みの障壁になっているのは、予算・授業時間・授業内容それぞれについての見通し
第五に、そういう中でも不安や疑問を乗り越えて行くには、「対話」の機会を確保することが重要であることが見えてきました。
- 必要か、必要でないか、本音で議論できる場があることが大事
- 現場の教員と教育委員会の指導主事や事務方の間にコミュニケーションギャップがあることを感じ、交流ワークショップを実施したところ、立場の違いはあれどそれぞれが子どもたちの将来にとって必要な力を育てたいと考えていることが共有でき、先に進む力になった
以上のようなコメントをいただき、私なりに見えてきたことやさらに知りたいことも出てきました。そのことについてはまた改めて書きたいと思います。
また、SNSでコメントを寄せていただいた方々には失礼かもしれませんが、プログラミング教育に関心をもっている方の集まりですので、もしかしたら一定のバイアスが生じているかもしれません。別の場面(このブログのコメントやTwitterなど)でもさらに率直な声をお聞かせいただける機会があれば幸いです。