「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

南気仙沼小学校

 気仙沼小学校の校舎は,南気仙沼小学校の人たちといっしょに使っています。南気仙沼小学校は,津波によって床上2mまで浸水し,校舎が使えなくなってしまったからです。その南気仙沼小学校の校舎の9月現在の状況を撮影したのが以下の写真です。

校舎入り口です。扉はなくなっていました。

職員室です。泥などはかき出され,机などの物も運び出されてがらんとしていました。

海に近い側です。窓がすっかりなくなっているところもあります。残っている窓ガラスには,まだうっすらと泥のあとが残っていました。この高さまでしばらく水につかっていたのだと考えると,寒気を感じました。

校庭に回って,さらに驚きました。校庭は一面,被災車両の一時保管場所になっているのです。一時保管場所と言っても,ご覧の通りつぶれた車ばかりで,引き取られるとは思えません。

この校舎に南気仙沼小学校の人たちがもどってこられるのは,いったいどれだけ先になるのだろうと考え込んでしまいました。


 最初にも書いたとおり,気仙沼小学校の校舎には2つの学校が同居しています。一つの校舎・校庭・プールなどの施設を,それぞれ独立した教育活動をしている2つの学校が使うには,いろいろな細かい課題をクリアしていかなければなりません。しかし,両校の先生方は一つ一つ話し合ってうまく運用されてきています。この10月には両校合同で運動会を開催することになっています。どういうプログラムにするのか,練習をどう合わせるか,係分担はどうか,当日の進行はどうするか…誰にとっても初めての経験となるため,難しいチャレンジではありますが,両校の先生方が何回も打ち合わせをもって,計画が進んできています。この協力態勢はさすがだなあと感じています。
 これから先,まだまだ長いこと共同生活が続きます。しかし,気仙沼の子ども達や先生方は今使える施設の中で懸命に努力を重ねています。その努力は,気仙沼の人たちが力を合わせ、支え合って難局を乗り越えた記憶として,将来に生かされることでしょう。