「明日」をつくる生活。

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

本格的な冬に備えて

 気仙沼ではこのところ,最低気温が0℃以下になる「冬日」になることが出てきました。昨年の記録を見ると,12月はほぼ毎日のように氷点下まで気温が下がり,最高気温も10℃に満たないことが多いようです。さらに厳寒期の1月は最高気温も0℃に満たない「真冬日」が数日ありました。毎日寒いですが,本当の冬はまだまだこれぐらいではないということがデータから読み取れます。
 東京都の派遣支援もさまざまな対策をとってくださっています。リースしている車両を四輪駆動のものに入れ替えたり,寝具や暖房器具を追加でリースしたりと,いろいろな配慮がされているのは心強い限りです。
 また,昨日は冬季自動車運転講習会が実施されました。10月には東京都教育庁主催,今回は宮城県教育委員会・仙台市教育委員会の主催で行われています。内容は雪道・凍結路の運転についての講義と実習でした。会場は石巻自動車学校で,気仙沼から車で2時間ほどかかりました。初めて石巻に行くことになり,経路を調べたところ,国道45号線は未だに途中通行止めになっていることを知りました。行き着けるのか不安でしたが,カーナビの情報通りに行くと,途中三陸道を迂回して無事に到着しました。最近までカーナビを使うことがなかったので知りませんでしたが,VICSを受信して交通規制情報を反映したルートを表示するようになっているのですね。石巻に到着して少し時間があったので海辺の方に車を走らせてみましたが,気仙沼の海沿いと同じ荒涼とした風景が広がっていました。
 さて,講義では事故の多いときについての話がありました。天候は雪のときよりも晴れのときの方が,気もゆるんでいたり放射冷却で凍結しやすかったりしてかえって事故が多いというのが意外でした。石巻や気仙沼のような沿岸部では,積雪量はさほどないが,風が強く気温が下がるので,凍結しやすく木や建物の影になっている部分,橋の上などは一旦凍結するとなかなかとけないので注意する必要があるということです。また,「ブラックアイスバーン」という言葉を初めて知りました。これは濡れて黒くなっているように見えるけれど凍結している路面のことをいうそうです。見た目だけで判断すると思わぬ事故につながるとのことでした。
 講義のあとは,人工的に滑りやすくした路面,「スキッドコース」での実習です。鉄板の上に水と洗剤のようなものをまいてあるところが教習所の中にありました。こちらの地方ではこういう実習が教習課程の中に組み込まれているそうです。教習所の教官の方が助手席に乗って,その指示通りに加速したあと急ブレーキ,一旦停止したあと急加速,加速したあと急ハンドルなどの操作をしました。
緑色の部分が滑りやすくなっている部分です。この途中まで加速していって,

ハンドルを切ると車は簡単に横を向いてしまいます。

安全な状況での実習だとわかっていても,実際に車がスピンしてまるきり反対を向いてしまう経験はかなりドキドキしました。決して実際に起こすことがないように気をつけなくてはと,肝に銘じました。
 東京から来ると,冬に向けてのことだけでもいろいろ考えさせられることがあるのですが,地元の方にとっては当たり前のことです。厳しい自然ともうまく付き合いながら毎日を過ごしている東北の人たちに改めて敬意を感じています。