「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

運動イメージを言語化する

 運動スキルを教えるときに、できたときのイメージや感覚を言語化してうまく伝えられるといいですね。

 先日、Twitter のタイムラインでこんなツイートを見付けました。


 高橋秀人選手は、かつて東京学芸大学からFC東京に入団してプロサッカー選手としてのキャリアをスタートしました。自分の母校から応援しているチームに入ったので、ずっと注目している選手です。こういったところにこだわるあたりを見ていると、やがて指導者としてチームを率いる立場になったときが楽しみだなあと今から思っています。
 高橋選手も別のツイートで「言語化=できるではない」と書いているように、言語化すればよいというものではありません。しかし、どのように言語化するかを考えることは指導者として必要なことだと思います。

 また別の例ですが、自動車教習所で教え方の上手な教官に感心したという書き込みを見かけました。ブレーキの踏み方について、「足を乗せただけを0、少し押して1、もう少し踏んで2、さらに踏んで3。グッと押すのは4だけどめったに使いません」と5段階で、実際にやりながら示してくれたとのことです。さすが多くの人に運動スキルを教えてきただけありますね。

 運動イメージの指導ということで思い出すのが、音楽の研究授業に講師としていらっしゃった先生の言葉です。音楽に運動スキル?と思われるかもしれませんが、歌を歌うのは喉の使い方や呼吸の仕方など運動スキルの要素がありますよね。その先生は、「喉の奥を開けなさい」と言う代わりにこんな指導をされました。研究授業の終わりに6年生の子どもたちにかけた言葉です。

手に熱いジャガイモを持っていると思ってください。
熱くてじっと持っていることはできません。
(アチチチ…と手を入れ替えるしぐさをさせながら)
そのジャガイモを口の中に入れます。
熱い物を口に入れたときどうします?
ハフ、ハフ、という感じになりますよね。
そうそう、君、うまいね〜
その口の奥の感じを忘れないようにしてもう一回歌ってみよう。

直後の歌声は響きがぐっと豊かになりました。参観している先生方の感心した表情…

 繰り返しになりますが、言語化できればうまく教えられるというわけではありません。しかし、言語化が運動イメージの獲得に有効であることは確かだと思います。