「明日」をつくる生活。

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

小学校で使える教科の内容に即したプログラミング教材

 みんなのコードでは、教材開発もしています。その第1弾が、一昨日リリースされました。その名も「プログル」。私も教員時代の経験から助言するという形で開発に参加しています。
proguru.jp
 次期学習指導要領が告示され、小学校の総則、算数、理科、総合的な学習の時間のところに「プログラミング」が記述されています。総則には「各教科等の特質に応じて」と書かれているので、プログラミングのみを単独で取り扱うのではなく、各教科や総合で育てる見方・考え方と関連付けて授業に組み込むことが必要です。

 私は、昨年9月に5年生の正多角形の授業でScratchベースのPYONKEEというiPadアプリを使った授業をしました。プログラムづくりを通して、多角形を描くときのきまりについて考えさせる内容です。Scratch(PYONKEE)は、いろいろなことができるすばらしいツールなのですが、その分ブロックの種類も多く複数のページに分かれているため、慣れないと目的のものを見つけるのに時間がかかってしまいます。操作の時間はできるだけ少なくして、できるだけ考える時間に回したいという課題が残りました。ドリル型教材のHour of Codeならば、迷うことは少なくなりますが、教科の内容とは全く違ってしまいます。

 そこで今回、「プログル-公倍数コース」ではステージを学習内容に合わせて設計しました。そしてブロックの種類を最大でも14種類に絞りました。少し使わないブロックも入っています。幅は小さいものの、子どもたちが試行錯誤できる余地を残すためです。また、どのステージからでも始められますし、正しい結果に至るプログラムは1つとは限りません。このようにすることで、使う先生方が担当する子どもに合わせて取り入れたり、子どもたちが多様な考えを出し合ったりということがしやすくなると考えています。

 教科の指導に特化したプログラミング教材は未だかつてなかったのではないかと思います。まだ生まれたての教材なので、これからさらに成長させていきたいところです。5年生担任の先生や算数少人数担当の先生はもちろん、教育に関わるさまざまな方にまずは触れていただきたいと思います。ほとんどの教科書では9月に公倍数を扱うようになっていますので、それまでにたくさんの手で育てていけることを願っています。

【関連情報】
「みんなのコード」代表 利根川のブログ
オンラインプログラミング教材始めました。 - プログラミング教育Blog

プレスリリース - PR TIMES
プログラミング教材「プログル」をリリース|一般社団法人みんなのコードのプレスリリース

INTERNET Watch の記事
教員が前提知識なしに授業ですぐ使えるプログラミング教材「プログル」、みんなのコードが提供 -INTERNET Watch

ICT教育ニュースの記事
みんなのコードがプログラミング教材「プログル」をリリース | ICT教育ニュース

リセマムの記事
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Google Blocklyで作成、学習指導案も用意:まずは普通の小学5年生にFizzBuzz問題を解かせる――みんなのコード、プログラミング教材「プログル」を無料で提供開始 - @IT