国立科学博物館で開催されている「菌類のふしぎ」展に行ってきました。「菌類」(きのこ・カビ・酵母)が、500点あまりの標本や資料で紹介されています。見に行こうと思ったのは、知り合いのブログでも取り上げられていましたし、「もやしもん」というマンガに家族ではまっていることもありました。このマンガは、肉眼で菌が見える主人公を中心に農業大学を舞台にしたストーリーなのです。
菌類のふしぎ-きのことカビと仲間たち-を見てきました!: fusigi
「菌類のふしぎ展」を見てきました。 : 身辺雑記 from 吉祥寺
もやしもん(1) (イブニングKC (106))
午後から雨の予報なので、早い時間に見てしまおうと思って9時に上野に着くようにでかけました。上野公園はイチョウが見事に黄葉していてきれいでした。美術館などが集まっているエリアなので、フェルメール展にも心惹かれました。しかし、今日の目的は菌なので、ギンナンの臭い漂う道をまっすぐ科学博物館へと進んでいきました。同じ道を行く人は少ないので、空いているかなと思ったら、中はけっこうな人出でした。
生物の分類は動物と植物の2つに分ける二界説から、現在ではモネラ界、原生生物界、植物界、菌界、動物界の5つに分ける五界説が主流になってきているということを知りました。また、DNAを分析した結果から生物の系統を見ていくと、菌類は植物より動物に近いそうです。特に意外だったのは、乳酸菌や納豆菌は菌ではなくてバクテリアに分類されるということです。
たくさんのきのこの標本が展示されていましたが、これらはほとんどが樹脂含浸法*1という方法で作られたものだそうです。
形のおもしろいものがいろいろありました。中にはしゃれたデザインランプのようなきのこもあり、自然の造形美に不思議さを感じました。
キクラゲの乾燥したものと水で戻したものを直接手で触れるコーナーや、きのこの匂いをかげるコーナーもあり、五感に訴える展示の工夫がなされていました。(味覚の感覚は体験できませんが。)
段ボールで作られた会場内には「もやしもん」の作者である石川雅之さんが描いた落書き*2があちこちにあって、それを探すのもまた楽しかったですし、こういう展示には珍しく写真撮影ほぼ全面OKなのもよかったです。
また、「もやしもん」のフィギュアがいっぱい使われた展示もありました。(箱に入ったミカンが青カビだらけになったものや、O-157でいっぱいのトイレ)
このほかに「もやしもん」の原画展やグッズの販売もありました。ガチャガチャは売り切れになっているものが多かったです。「もやしもん」とタイアップしなかったらここまで人気のある展示にはならなかったのではないかという気もします。難しい内容も含まれている展示でしたが、家族連れの姿が目立ちました。陽の当たらない菌類にスポットを当てた企画に拍手です。「菌類のふしぎ」を見てきたというブログもたくさん書かれていますね。