「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

保護者同士の交流ノート

 同じクラスの保護者同士は意外にお互いのことを知らないものです。年に保護者会は数回、それも仕事をもっていると最近の厳しい労働条件の中ではなかなか顔を出せない人もいます。そんな状況で「同じクラスの親同士、手をつないで子どもたちをみんなで育てていきましょう。」などと言ってもかけ声だけに終わってしまいそうです。何とかお互いを知り合うことはできないかと考えていたところで、当時青梅におられた金田一清子さんの実践に触れました。
 ノートを用意して、各家庭を順番に回して好きなことを書いてもらいます。ノートの意味、注意点などを次のように裏表紙に書いておきました。

■ノートの意味について
 このノートは、このクラスの保護者の皆さんが、お互いのことをよりよく知って、楽しく交流を深めていただくために作りました。子どもたちが仲良く楽しく過ごせるクラスにするには、親同士も仲良く楽しくいられることが大事ですよね。
 ところが、年に数回の保護者会、それも都合で欠席しなくてはならないことも…その学年で一度も顔を合わせずに終わってしまった人がちらほら…なんていうこともあるのではないでしょうか。
 そこで、このノートを皆さんのおしゃべりの場として使っていただくことで、少しでも互いがつながるきっかけになればいいなあと考えています。


■すてきなノートにするために

  • 気軽に日常のちょっとしたことを書いてみてください。あなたにとってくだらないことでも、他の人にはおもしろいものです。
  • 子どものこともいいのですが、あなた自身のことがわかるといいと思います。趣味のことを書いたら、共通の人が見つかったりして。
  • 楽しく交流していただくためのノートなので、苦痛になったら意味がありません。ほんの1行でかまいませんし、書く余裕がなければそのまま次の人に回してください。
  • 書いてしまったことは取り消せません。読む方の気持ちを考えて、楽しい交流の場にふさわしいものになるよう、ご配慮ください。学校のことで心配なこと、困っていることなどは担任の方にいつでもご相談ください。

 28人のクラスだったので、ノートを2冊用意して、2〜3週間に1度程度回ってくるようにしました。最初は担任が何行か雑感を書きます。あえて子どものことではなく、最近聴いている音楽のことを書きました。皆さん、どの程度書いてくれるかな、とあまり期待はしていなかったのですが、たくさん書いてくれる人がけっこういて、中にはイラスト入りで今ハマっているガーデニングについて1ページしっかり書いてくれる人もいました。
 今年受け持った学級ではまだ始めていないのですが、私のことをもう少しわかっていただいた2学期ぐらいからできたらいいなあと思っています。