「明日」をつくるしごととくらし

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組む NPO で働いています。

質問にお答えして

※こちらの質問箱はもう存在しません。

 竹谷 正明の質問箱というのを作りました。
peing.net
 次のような質問をいただきました。字数の関係でそちらでは書ききれなかったので、こちらに回答を書くことにします。

「小学校プログラミング教育の手引き(第一版)」の9ページ 第二章 小学校プログラミング教育のねらい ③各教科等での学びをより確実なものとすること というのがあります。 この「学びをより確実なものとする」という意味なのですが、私は教科の時間に学習したことをプログラミング教育の観点からもう一度学習し「学びをより確実なものとする」ということも含まれていると考えているのですが、竹谷先生はどのようにお考えでしょうか。

 私見では、「各教科等での学びをより確実なものとする」ということには、学習過程からすると次の2つのあり方が考えられると思います。
 1つは、おっしゃるとおりこれまで行われてきた各教科等で学んだことを、単元の終わりでプログラミングという方法を取り入れて改めて表現し直してみる、あるいは活用することによって、より理解を確かなものにするということです。新学習指導要領に例示されたものでいうと、理科6年の電気の性質や働きの学習はこちらになるのではないでしょうか。これまでの指導計画に要素を追加する形になりますので、比較的負荷が少なく導入できるのではないかと思います。
 もう1つは、単元の展開に組み込むことによって、従来行われてきた学習活動よりもさらに理解を深められるようにするというものです。算数5年の正多角形をかく学習では、前述の形で実施可能ですが、単元の第1次と第2次の間をつなぐ部分に組み入れることによって正多角形と円の関連をより明確に理解させられるということも考えられます。こちらは既存の指導計画を検討し直す部分が多くなることが想定されるためハードルは高くなりますが、新しい可能性をより広げられるのではないでしょうか。
 各教科等の特質に応じてプログラミングを体験するということについては、これからさまざまな実践を積み重ねていく中から、子どもたちにとってよりよいあり方が見えてくるものと考えています。これからの2年間の移行期間を有効に活用して、正解のない問いにチャレンジしていっていただければと思いますし、私たちもそれを支援していきたいと思います。