「明日」をつくる仕事。

テクノロジーを取り入れた教育の普及に取り組んでいます。

動き出しましょう

ここ数日で在宅学習を広げるための新たな動きも出てきているようです。「教育委員会からの調査があった」という書き込みを SNS で見かけました。日本中で取り組みが進むことを期待しています。

進めるにあたっては責任ある立場の方の判断が必要であることはもちろんです。何でもかんでもとにかく進めればいいというわけでもないですから、二の足を踏むこともあると思います。もしそうであれば、現在の状況と検討のプロセスをできるだけていねいに説明していってはいかがでしょうか。なかなか物事が進まないことに保護者の不満も聞かれますが、率直かつ具体的な状況説明や現時点での見通しがあれば軽減されるのではないでしょうか。

前回の投稿で文部科学省の通知を紹介しましたが、今度は初等中等教育局情報教育・外国語教育課長名で令和2年4月23日付の「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けた家庭での学習や校務継続のための ICT の積極的活用について」という事務連絡を紹介します。このように立て続けに文書を出していることからかなり切迫感をもって事態を前に進めようとしている思いを感じます。
https://www.mext.go.jp/content/20200424-mxt_jogai02-000003278_515.pdf

まずは冒頭の「1.ICT の活用の推奨について」から。(太字は筆者)

全国的な長期休業というこれまで類を見ない緊急時であること、各学校や家庭で ICT 環境が様々であることを鑑みると、平常時における学校設置者や各学校の一律の ICT 活用ルールにとらわれることなく、家庭環境や情報セキュリティに十分留意しながらも、まずはその積極的な活用に向け、現場を最もよく知る教員が家庭とともにあらゆる工夫を行えるよう対応いただきたい

知り合いの先生から、休校中でも子どもたちや保護者とつながるためにできることを考えて提案しても、なかなか管理職や教育委員会に承認されず実現できないという例をいくつも聞いています。共通しているのは「何かあったらどうする」という反応です。無責任な言い方と思われるかもしれませんが、全く何も問題が起きないことなどないでしょう。やってみなければ分からないことはたくさんあります。できるところから始めてみて、徐々に経験値を上げていくべきです。

続いて「2.家庭学習の際の ICT の具体的な手段について」から。

①家庭でパソコン・タブレットスマートフォン等 ICT 機器を所有している場合には、それが児童生徒の家庭学習にも活用されるよう、家庭の理解を得つつ進めること。

BYOD (Bring Your Own Device) ならぬ UYOD (Use Your Own Device) のススメですね。子どもたちも保護者も、タブレットはゲームをしたりおもしろい動画を見たりする道具で、学習の道具とは見ていない場合があります。そういった意識も変えていかなければならないでしょう。

②家庭に Wi-Fi 環境などがない場合が想定されるため、各学校では家庭の通信環境について至急把握すること。その際、保護者や児童生徒などが使用する家庭のスマートフォンモバイルルーター等を活用できる場合には、それを通信手段として活用すること。

まずは現状を把握しましょうということ。「意外と自宅に Wi-Fi 環境のある家庭が多い」とか「スマホはあるけど、通信料が心配」など学校によってさまざまでしょう。様子が分かってこそ、対応の方略も考えられるというもの。保護者や地域の協力が得られる道を探る指針にもなります。

③学校で既に整備されている端末を持ち帰って活用することが可能な場合には、平常時のルールにとらわれることなく積極的に持ち帰りを推奨して活用すること。

持ち帰りのためのルールを決めたり設定を変えたりする必要があるでしょうが、「何が起きるか分からないからやらない」のではなく「やるためにどうするか」を考えていきましょう。この文書の最後には持ち帰りルールのサンプルも示されています。

このまま手をこまねいていれば、地域による格差がますます広がってしまいます。熊本市のように先進的な取り組みを進めているところと同等とまではいかなくても、少しでも近付けようとしているのかどうか、問われているのだと思います。
this.kiji.is

(2020/04/26 追記)
この事務連絡を整理した分かりやすい資料を公開された方もおられます。
drive.google.com